ダブルカウンセリング

同時期に、2人のカウンセラーのカウンセリングを受けることをダブルカウンセリングといいます。

一般的に、ダブルカウンセリングは良くないこととされ、避けるべきだといわれています。もちろん、例外もあると思いますが、なぜ良くないといわれているのでしょうか。

まず一つ目に、2人のカウンセラーの方針が合わなかったり、方法が異なっていたりすると、クライエントさんに混乱が生じるからです。例えば、不登校のお子さんに対して、一人のカウンセラーからは「お子さんの好きなゲームのことから話していきましょう」と言われたのに、もう一人のカウンセラーからは「ゲーム依存になっているので、なるべくゲーム以外のことで話をしましょう」と言われるかもしれません。どちらも親子間の会話を増やしていくことには変わりないのですが、視点が違っているので、正反対のことを言っているように思えます。クライエントさんとしては、どうしたら良いのか分からなくなってしまいますよね。

二つ目に、カウンセリングはクライエントさんを包括的に支援するものですので、悩み事でカウンセリングを使い分けるということは望ましくないからです。病院に置き換えてみると分かりやすいですが、他科でもらっている薬を申告しなければならないことと同じです。アトピーや花粉症に出される抗ヒスタミン薬は、副作用として眠気が出ることが多いものですが、抗ヒスタミン薬を飲んでいると明かさずに睡眠外来で「起きれなくて困っています」と言うとどうなるでしょうか。このように、家庭での対人関係、職場での対人関係、日常生活での困りごとなど、それぞれ使い分けるのではなく、同じカウンセラーに全てを相談してみましょう。それぞれの悩みが、意外なところでつながっているかもしれません。

本当に今のカウンセラーのやり方で良いのかな、と迷うこともあるかもしれませんが、そんなときはまず、今のカウンセラーにそのこと自体を相談してみましょう。セカンドオピニオンとして、他のカウンセラーの意見も聞いてみることも良いですが、その場合も継続するのはどちらか一人に決めましょう。

こたつに入る猫のイラスト

MEDI心理カウンセリング大阪

公認心理師・臨床心理士 可児

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