うつ病・不安症・パニック症・強迫症の心理療法

うつ病・不安症・パニック症・強迫症の心理療法

うつ病、不安症、パニック障害のカウンセリングには、認知行動療法やマインドフルネスを取り入れた心理療法を行っています。


当カウンセリングルームには、「うつ病」の方、うつ病の一歩手前とも言える「自律神経失調症」や「適応障害」と診断された方が多くいらっしゃっています。うつ病人口は世界で3億5000万人以上と言われており、日本でも100万人以上いると言われています。

うつ病と認知行動療法・マインドフルネス

うつ病に関しては、認知行動療法が最近日本では有名になってきました。
認知行動療法は、2010年より「医師が医療機関で行う場合に限り、保険点数を適用する」ことになりましたが、実際にはそれほど行われていません。
それは、医師で認知行動療法について学んでいる方がそれほど多くないこともありますが、何より精神科・心療内科では5分~10分診療(ひどいところでは数秒~3分診療)になりがちで、その間に行う時間がないという要因もあります。

そのため、認知行動療法は専門の臨床心理士が行うことが多くあります。当カウンセリングルームでは、認知療法や認知行動療法の要素をカウンセリングの中に取り入れ、実践を行っています。
また、最近アメリカでは、「マインドフルネス」を用いた認知行動療法が行われるようになってきました。これはうつ病の再発防止などにも効果が実証されてきており、Google社でも採用されています。日本でも少しずつ名前は聞かれるようになってきました。
ただ現在、マインドフルネスを用いた心理療法を日本で行っているところはまだまだ少なく、臨床心理士が行っているところに限定するとほとんどありません。当カウンセリングルームではいち早く取り入れ実践を行っています。

認知行動療法

認知行動療法というのは、認知や行動に働きかけて、物事を上手く考えて行動できるようにする心理療法の一つです。認知というのは、ものの受け取り方や考え方という意味です。日常のストレスによって、私たちはどうしてもに不安感や心配を感じてしまいやすくなり、考え方もマイナス思考になり、日常の生活がままならないぐらいに、こころが疲れてしまいます。認知行動療法では、セラピストとクライエントが協同しながら、そういった状態に対して、考え方や行動のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていきます。また、悲観的にも、逆に楽観的にもなりすぎず、現実にそった考え方で、現在の問題に対処していけるように手助けします。

認知行動療法は欧米ではうつ病や不安障害(パニック障害、社交不安障害、強迫性障害など)、不眠症などの多くの精神疾患に効果があることが実証されて広く使われるようになってきました。我が国においても、治療効果の検証も進み、厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」を初めとした研究でその治療効果が確かめられています。

認知行動療法は以下のような手順で行います。

  1. クライエント(相談者)の悩みや問題点、強みや長所を洗い出して方針を立て、それを相談者と共有して力を合わせながら面接を進めていきます。
  2. 行動的技法を使って生活のリズムをつけていきます。
  3. 自動的に浮かんでくる非適応的な考え、思考に焦点をあてます。
  4. 予防策を考え、治療終結に進みます。

※詳細な面接の流れは、厚生労働省ホームページの「こころの健康」を参照してください。また、治療ではありませんが、技法の練習には認知療法活用サイト(ウェブ、モバイルともに)もあります。

マインドフルネス認知療法について

マインドフルネス認知療法は、歴史は浅いものの、すでに米国ではうつ病予防・対策に効果が実証されておりますが、日本でこの療法を取り入れている医療機関はほとんどありません。しかし、米国ではすでに多くの医療機関で導入されており、様々な研究によりその効果が確認されています。ある研究では、3回以上再発を繰り返したうつ病患者に対して再発予防効果があると示されています。

3度以上うつ病の再発を繰り返していた患者の再発率

上記で説明した認知行動療法は第2世代の認知療法、マインドフルネス認知療法は、第3世代の認知療法と言われています。その異なる点はというと、前者が、思考や考えをターゲットにし、修正を図っていくことに対し、マインドフルネス認知療法では、思考や考えをターゲットにするのですが、あえて操作しようとはしません。思考は思考に過ぎず決して事実ではない、単なるこころの中の出来事なのであるとありのままに受けとめようとします。そして、そのことを通じてその都度その都度の事実、今の瞬間をあるがままに受けとめられるようになることを目指していきます。

具体的にどんなことを行うのかというと、その一つに「マインドフルネス瞑想」があります。瞑想と言っても宗教色のあるものではなく、一技法として用いられます。私達は何も行動していなくても、常に何かを考えています。それは、今日の嫌な出来事だったり、食べたものであったり、過去に怒られたことだったり、様々です。マインドフルネス瞑想では、そのような考えや記憶に対して、「雑念」、「イメージ」などとこころのなかで言葉を使って確認しながら気づいていきます。そして、考えていることに気づいた時に、その時とっている姿勢への身体感覚に意識をもっていくと、多くの場合、考えや記憶は薄れていきます。

マインドフルネスというのは、意識を常に身体感覚に集中させようとすることにより、何かにとらわれ移ろいやすいこころを、考えや記憶へのとらわれから解放し、「今の瞬間をあるがまま」に受容することを目指します。