動物たちの素直さから学ぶこと

 最近知人が犬を飼い始め、先日、知人宅を訪ねてその犬たちに会わせてもらう機会がありました。犬たちは初対面の私を警戒してケージの中に入ってしまったのですが、その犬たちの姿を見ていて、警戒心や怖さを素直に表現する犬たちから学ぶものもあるのではないか、と思いました。

 他者に対する警戒心や恐怖心、誰かの言動から受けた不快感やストレスなど、私たちは、『自分が感じていること』を素直に表現することなく心の中に溜め込んだまま生活していることが多くあります。そこには、「自分のネガティブな思いを表現してはいけない」という道徳心や、「ネガティブな思いを表現したら人に嫌われるかもしれない」というような不安などが根底にあるかもしれません。しかし、そのように自分の思いに蓋をしてしまうことで、ストレスがより強く感じられてしまうこともあります。

 人として社会の中で人と関わりながら生きている私たちは、いつでもどこでも自分の思いを素直に表して良い、とはやはり言えないでしょう。けれど、人も本来は動物です。たまには、動物たちのように、素直に嫌がったり怖がったりすることを自分に許してあげる時間を持ってみても良いのではないでしょうか。

(文責:中山)

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