子どもとの接し方~行動の切り替え~

 幼い子どもは、行動の切り替えが難しく、公園などでは「早く帰ろう!」」、「まだ遊びたい!!」という親子のやり取りがよく見られます。幼稚園や保育所などでも、登園したときは親と離れたくないと泣いていたのに、降園時にはまだ帰りたくないと泣く子もいます。まだ時間の見通しの立ちにくい時期の子どもにとって、今やっている楽しいことから次の行動に切り替えることは、実はとても大変なことなのです。大人側からすれば、もう十分遊んだし次の予定もあるのに、と思うのでイライラしてしまうことも当然です。

そんなときに役立つ、二つのポイントがあります。

一つ目は、予め時間を示しておくことです。降園時刻はいつも同じでも、まだ時間の感覚の身についていない子どもには、急に言われたような気持ちになるので、「あと10分ね」と示してあげることで少し落ち着くことがあります。10分がどれくらいの時間なのか分からなくても、なんとなく「あと少しなんだな」と思いますし、大人も一旦は譲っているのでその後10分後には無理やりにでも終わらせることもできます。約束を守るという勉強にもなります。

もう一つは、それでも切り替えができないときに使える、カウントダウンです。自分では切り替えできなくても、「10、9、…2、1、終わり!」と数えることで、終わらなくちゃならないという気持ちになり、慌てて次の行動に移れることもあります。

ですが、思い通りに動いてくれないのが小さな子どもですので、この二つを使ってもなかなかうまくいかないこともあります。それでも、決して育て方が悪いなどと自分を責めないでいてほしいと思います。周りの芝生は青く見えるので、他の人はうまくやっているように見えるのは皆さん一緒です。いつもニコニコ愛想のよいお母さんも、内面はイライラしているかもしれません。古代からこうやって人は子育てに悩んできたんだろうな、と想像して気を抜いてみようというときもあってはよいのではないでしょうか。

(文責:可児)

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