子どもがかわいいのは当たり前!?

子どもが生まれたら、親はみな子どもをかわいく思い、自動的に親らしくなるものでしょうか。人の赤ちゃんや動物の赤ちゃんなどの小さな生き物を見て「かわいい」と思う反応は、人の本能として備わっているようで、子どもが生まれるとそのような本能的な愛情が子どもに対して芽生えることはあるでしょう。しかし、それだけで全てがうまくいくほど子育ては甘くはありません。私は二人の子どもの母親ですが、特に第一子が小さい頃は『何とかこの子を生かさなければ』と必死で、子どもがかわいいという感覚をなかなか持てませんでした。子どもを育てるのは母親の仕事というような道徳的な思いも強く、半ば『義務感』で子どもを育てていたようなもので、本能や私個人にある愛情を感じる余裕はありませんでした。けれど、そうやって義務的に育てていても子どもはそれなりに成長し、経験や時間を積み重ねていくことで親の側にもゆとりが生まれてきます。

『親は愛情を持って子どもを育てるのが当たり前』という世間的な見方もあり、もしかしたら『子どもがかわいく思えない』と自分を責めている親御さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、親は子どもが生まれたら自動的に親になれるものはなく、子育ての経験を通して親になれば良いし、子どもとの生活に疲れたら、カウンセリング等のサポートを求めて良いのです。子どもを育てる親御さんのカウンセリングが『みんなで子どもを育てていく』世の中を作るための一助になればと思います。

(文責:中山)

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