ヤングケアラー

「ヤングケアラー」という言葉をご存知でしょうか。心理学用語や法令用語ではありませんが、最近ニュースでも耳にすることが増えていると思います。

定義としては、「本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子ども」とされています。

家事や家族の世話、というと、一般家庭でも「お手伝い」というものがあり、線引きが難しいのではないでしょうか。各家庭の教育方針もあり、「お手伝いさせ過ぎなんじゃない?」なんて、他人が介入するのは難しいことだとは思います。

しかし、ヤングケアラーという概念は、単なるお手伝いとは質的に違っています。どのように違うかというと、「責任の所在」を考えてもらえれば分かりやすいのではないと思います。家庭での「お手伝い」は、未成年者である子どもが「親の責任の下」家事や家族の世話をすることです。

料理を例にしていうと、お手伝いであれば、子どもが頼まれて親の代わりに1食分の食事を用意する、というイメージです。もし子どもが頼まれた通りにできなくても、親が何とかして他のものを用意しなければならないという責任を負います。子どもは怒られはしても、責められはしません。ヤングケアラーの場合は、親が全く関知していないこともあります。子どもを養育すべき立場の親という役割を果たせていないのです。

もし皆さんの周りで、ヤングケアラーではないか、と思うお子さんがいれば、地域の児童福祉相談機関に相談してみてください。適切な福祉サービスにつなげられるかもしれません。

MEDI心理カウンセリング大阪

公認心理師・臨床心理士 可児

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