京都・滋賀出身の私は、関西弁をとても気に入って使っています。少し柔らかい感じがするのと、親しみやすさがあるかなと思っています。標準語圏の方には申し訳ないですが、関西弁の私には標準語はなんだか硬くて、気取っているようにすら感じることがあります。耳に慣れているというだけで、どちらが優れているということはないと思っています。
ところが、同じ関西弁でもやはり地域によって若干のニュアンスが異なってくるものもあります。
例えば、関西弁の否定形「○○へん」。京都・滋賀の私は、単純に行くことができない、否定という意味で「行けへん」と言っています。そこにはプラスもマイナスもなくニュートラルな感覚で使っています。ですが、大阪南部の方は「行けへん」と言われると、そんなの絶対無理!と言っているようにきつく聞こえるようです。逆に、大阪の方がニュートラルな意味で使うという「行かへん」を聞くと、私には強く拒否されたように感じてしまいます。
同じ関西弁なのに、微妙なニュアンスが違うようで、使うときに注意しなければならないなと感じました。もしこれが違う方言だったとしたら、「それ、どういう意味?」と聞いたりしますが、同じ関西弁だと「相手も自分と同じ意味で使ってるのだろう」と暗黙のうちに思ってしまっていたようで、なかなか確かめることができませんでした。
このように「相手の意図が分からないな」と感じたら、やはり相手の気持ちは相手にしか分からないので、訊いてみるのが良いなと思いました。
似ているものにも多様性があり、自分と相手は違う人間だということを常に念頭に置いておきたいですね。みんな違って当たり前、と。
MEDI心理カウンセリング大阪
公認心理師・臨床心理士 可児