「新型うつ病」「自閉症スペクトラム」など、精神疾患の名前を目にする機会は、増えてきているのではないでしょうか。
よく受ける質問として、「昔からちょっと変わった人として受け入れられていた人が、診断名を付けられることによって障害として捉えられ、病気を作り出しているのではないか」といったことです。確かに、診断名がなければ「ちょっと変わった人だけど、コツをつかめば付き合える人」という認識でいられたのに、診断名を付けられると特別な対応が必要なのかと身構えてしまうこともあると思います。
では病名など不要かというとそうではなく、メリットもあります。
病名があることによって、知識が集められるということです。病名があれば本やインターネットで探すことができるし、当事者や家族の会など人も集まることができます。反対にいえば、病名がなければ同じような症状で苦しんでいる人たちの体験談を見つけることも難しいということです。
周りの環境や本人の気持ち次第で、病名はいらないこともあると思いますが、役に立つ場合もあります。
これが先ほどの質問に対する私の答えです。
また、病名というものは専門家から与えられるという一方的なものではなく、自分自身でしっくりくる名前を付けるという方法もあります。
いずれにせよ名前を付ける場合には、皆さんの足かせではなく役に立つものでありますようにと願っています。
(文責:可児)