私が個人的に好きな作品について、心理学的に少し考察を入れてみるシリーズを始めてみたいと思います。私の趣味なので、ミュージカル作品を中心にご紹介いたします。
ミュージカル「オペラ座の怪人」に出てくるファントム(怪人)は、仮面で素顔を隠してオペラ座の地下に隠れ住みながらも、オペラ座に楽曲を提供して歌姫クリスティーヌの歌唱指導まで遠隔で行っています。この構図は、家から一歩も出ずにオンラインで活動する現代人にも通じるものがあるのではないでしょうか。
ファントムは、子どもの頃その容貌から蔑まれて育になった経験があり、人を憎んでいます。その一方で、クリスティーヌを理想化して、人と親密になることへの憧れも持っています。しかし、ファントムは人と適切に関わったことがなく、上手く近づくことができません。クリスティーヌを拉致したり、殺人まで犯したりと暴挙にでます。仮面を被ることで匿名性が出て、残虐な行為も平気になってしまっているのではと考えられます。
せっかく音楽の才能があるのに、上手く活かすことができなかったファントム。心理士の視点から見ると、もう少しゆっくりと社会に関わることができたらなぁと思います。いきなりさらうのではなく、まずは姿を現して話をするところから始めて、自分の要望を一方的に伝えるのではなく、双方向のコミュニケーションを取ること。そのためには、最初は仮面を被ったままでも、遠隔からでもよいのです。少しずつ段階を踏んでいけたらいいのになと思います。
当カウンセリングルームの運営団体である国際心理支援協会では、そんなファントムにぴったりなのではと思うような、オンラインメンタルヘルスケアサービスを始めました。よろしければ、下記のサイトでどんなサービスなのかご覧いただけますと幸いです。
MEDI心理カウンセリング大阪
公認心理師・臨床心理士 可児