カウンセリングではどんなことをするか①

 これまで初回カウンセリング(インテーク面接)について2回ほど述べました。

今回は、カウンセリングでは何をしているのか、ということについて説明をします。

 

 カウンセリングは、以下のようなやりとり(流れ)を繰り返して進みます(ここでは、カウンセラーの専門による違いを論じているわけではありません)。

 

たとえば、職場の上司との関係で困っているという困りごとを扱う場合(架空の事例です)↓

 

①悩みや困りごとをなるべく具体的にします。

(例:職場の人間関係での悩み→職場の上司が物理的な距離が近く、詰め寄ってきて不快であるが、それに耐えて過ごしている)。

②どう変化すると過ごしやすくなるのか、ある程度見通しを持てるようにします。

(例:(距離を適切に測ることのできない上司にも課題があるとは思うが)、上司から不快なことをされても主張できない自分を、少しは変えていきたい)。

③カウンセラーが手伝えそうなことを提案し、それがクライエントさんのニーズに合っているかどうかを確認して、問題の解決へと進めていきます。

(例:上司に不快であるということを適切に主張できるようになるために、そのスキルを獲得していく)。

 

 こうしてまとめていても思いましたが、やはり、悩みや困りごとを具体的にするということが重要です。

なぜなら、抽象的な表現のままでは、クライエントさんと担当のカウンセラー間で共通の認識になりづらく、その後の進め方や目指すべき到達地点が見えなくなってしまう可能性があるからです。
もしかすると、人によっては抽象的なものを具体的にした時点で、悩みが解決してしまうこともあるかもしれません。

 

 クライエントさんとカウンセラーの間で、困りごとや悩みを『共通の認識にする』ということは、もしかすると難易度の低いものではないかもしれません。クライエントさんにも「話す」という労力が必要になりますが、困りごとや悩みの改善に向けての大事なステップになりますので、ぜひご協力をお願いいたします。

(文責:福原)

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