精神疾患と契約

MEDI心理カウンセリング大阪は、私設のカウンセリングルームです。

行政機関とも違い、また医療機関でもありませんので、相談料は全額自己負担となります。45分で7,000円なんて高いなぁ、と思われるかもしれませんが、税金で運営している公的機関でもなく、健康保険の適用もされない私的な相談室だということをご考慮いただけますと幸いです。

さて、そんな特徴を持つ弊所ですが、心療内科や精神科よりハードルが低いといって来てくださる方もいらっしゃいます。その理由の一つとして、「精神科などの医療機関の受診歴があると、生命保険に入れない」という噂が関係しているのではないかなと私は考えています。私設のカウンセリングルームには、通っているかどうかを告知する義務はないから、精神科よりもカウンセリングルームを選ぶ、ということです。

実際に、生命保険の会社によっては、精神科系の医療機関へ5年以内に受診歴がある方は、加入不可、または条件付きの保険のみ加入可、というところが多いようです。保険への加入を制限する根拠としては、精神疾患があると自傷や入院のリスクが高くなることと、ストレスにより他の疾病にもかかりやすくなることが挙げられるそうです。精神疾患があるからといって、全ての人が当てはまるというわけではないのに、ひどいなとも思いますが、保険会社も商売だと思うと仕方ないのでしょうか。ただし、告知義務としては5年以内というものが多いようなので、一度精神科系の医療機関を受診したからといって、一生加入できないということはないようです。特定の疾患を保障対象から外すことや、掛け金の高いプランにすることで加入できる場合もあるそうです。日本でも精神疾患の診断を受ける人が増えていっている現状を考えると、今後この制約も変わっていってくれるのではと期待しています。

また、生命保険以外にも、精神科などの受診歴があると住宅ローンの審査が通りにくいということもあります。一般的な住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険への加入が求められることが多く、そのためにはやはり告知義務があるからです。ただし、こちらは3年以内に受診歴があるかであり、5年以内と制約のあった生命保険よりは少し短いですね。

生命保険と同様に、住宅ローンはあくまで借金であり、お金を貸す側も商売でやっているということを忘れないでもらいたいと思います。誰にでも開かれたものではなく、これらの契約ができないのは社会が不条理なせいでも、精神疾患が悪者であるせいでもないのです。民間企業のやっているサービスの一つに過ぎませんし、契約ができないからといって人生が終わるようなものでもありません。逆に、精神疾患の中には、障害者手帳が発行されるものもありますし、福祉制度が利用できる可能性もあります。

心理士として、何よりも懸念すべきなことは、住宅ローンや生命保険の契約ができないという事態を恐れて、必要な人が必要なときに治療を受けられないことだと考えています。遠い先の利益を求めて、今現在の健康をないがしろにすると、結局どちらも得られないことになってしまいかねません。治療を受けるにしても、早めに受ける方が治療期間は短くなることもあります。

医療機関に行くべきか、迷ったときは先にカウンセリングを受けていただくのも一つの方法です。弊所でも、心理検査を実施しておりますので、通院した方がいいかといった目安をご提案することができます。また、提携の医療機関にご紹介することも可能ですし、お近くの病院へ情報提供書をお送りすることもできます。まずは一度、ご相談いただければ幸いです。

 

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MEDI心理カウンセリング大阪

公認心理師・臨床心理士 可児

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