無視というコミュニケーション

全くその人の存在が目に入らぬかのような態度、つまり無視することは、コミュニケーションを取っていないこととは微妙に違ってきます。

何も返答しないのだから、コミュニケーションをしていないと思われがちですが、実は無視も立派なコミュニケーションの一種です。投げかけたことばが聴こえているはずなのに、応答しないという行動をとっているのです。

それだけ聞くと、なんてひどいコミュニケーションだ!と思われるかもしれませんが、役に立つときもあります。

例えば、子どもが望ましくない行動をしたとき。幼い子どもは、「うんち」などとわざと汚い言葉を使って人を笑わせようとしますが、これに本気になって「そんな言葉使っちゃだめ!」と応答していると、子どもは構ってくれていると勘違いして、構ってほしいときに同じことを繰り返し言ってエスカレートしていきます。逆に真面目に取り合わず知らんぷりすると、汚い言葉を言っても注目を集められないことを学んで、そういった言動は減っていくのです。

無視はいけないことだとすりこまれてきた私たちにとって、無視することは心が痛むこともあるでしょう。しかし、上記の例はいじめにつながる無視とはまったく種類が違います。時と場合によっては必要なときもあり、かえってそれが相手のためにもなることもあるので、うまく使えるといいですね。

 

MEDI心理カウンセリング大阪

公認心理師・臨床心理士 可児

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