小さい子どもとゲームをするとき、実力を発揮させずにわざと負けてあげるのが大人の役割——そう考えて手加減している方は多いのではないでしょうか。
勝てた子どもはいい気になって、自尊心や自己効力感というものを育てていくことも事実ですが、これがいつも正しいとは限りません。
家庭ではいつも勝ちっぱなしで万能な「俺様」な子どもが、学校で初めての負けを経験したらどうなるでしょうか?悔し涙を流したり次こそはと意気込んだりして、負けることも上手に学べれば良いのですが、自分の悔しい気持ちをうまくコントロールできずに、怒ったりすねたりしてしまう子もいます。外の世界で初めて負けにさらされるよりも、家庭という安心な場所で負けを経験して、そういうときは悔しがってもいいんだ、ということを適切に学べるといいですね。
相手が勝つこともあると学んだり、逆に大人が負けて悔しがりながらも感情を処理していくプロセスを見せるのも参考になります。子ども相手に本気で悔しがる大人げない大人も、たまには必要かもしれませんね。
MEDI心理カウンセリング大阪
公認心理師・臨床心理士 可児