こころの健康施策としてのメモ活用術

仕事の効率アップや自己啓発のためのメモ活用術は、たくさんの本が出ています。また、そのための手帳なども売られています。

今回は、心理士の視点からメモ活用をお勧めしたいと思います。

人はメモをすることで、どのようなメリットを得ているのでしょうか?

最大のメリットは、忘れない、つまり覚えておくことであるといえるでしょう。情報過多の時代に、覚えておきたいことをメモして、記憶に留めておいたり、後で見返して何度も確認したりできますよね。

もう一つ、逆説的ですが、「忘れるためにメモする」というのもありだと私は思います。実際に自分の手で書くことで忘れないというメリットももちろんありますが、忘れてもメモさえ見れば良いという状態を作れたらいいのではないでしょうか。学習テストなどは覚えないといけませんが、例えば「明日の持ち物」であれば暗記する必要はなく、きちんと明日出かける際に物を揃えて持って行ければ良いのです。そのために、明日の持ち物リストを書いておくことをすれば、準備するまでその中身を全て覚えておく必要はないのです。

このようにメモを取って忘れてもいい状態を作っておくと、その分脳のメモリーが空くことになります。他のことを考えることに脳を使えるので、キャパオーバーになって忘れてしまった、という事態を防げます。

ここで大事なことは、メモをするのは必ず一箇所に決める、ということです。手帳でもスマホでも、自分の使いやすいもので構いませんが、あっちこっちにメモを分散してしまうと、「どこにメモしたっけ?」と分からなくなります。せっかく忘れてもいいようにメモを取ったのに、「○○にメモをした」ということまで覚えておかなくてはならないなんて、本末転倒ですよね。

メモを活用して、脳をスッキリさせ、こころの健康に役立てていきましょう。

 

MEDI心理カウンセリング大阪

公認心理師・臨床心理士 可児

一覧に戻る>