絵本から学ぶ③「おかえし」

子育ては親育ち。子育てをしながら、子どもの絵本からも学ぶことがたくさんあります。

今回ご紹介するのは、村山桂子さん作の「おかえし」という本。

物語は、引っ越してきたキツネが、隣のタヌキの家にいちごを持って挨拶に行くところから始まります。いちごをもらったタヌキは、おかえしをしなくちゃ、と思いたけのこを持っていき、それをもらったキツネがまたおかえしのおかえしをしなくちゃ…と、二人でおかえし合戦を繰り広げていきます。

日常生活でも、人から物をもらうとお返ししなくちゃ、という気持ちがわいてきてしまって、素直に喜べないことってありませんか?いつ、どのタイミングで、何を返したらいいんだろう?と、私も悩むことがあります。お返しが欲しくてくれているわけではないと、頭では分かりつつ、もらいっぱなしは大人として良くないんじゃないか?と気になってきます。

絵本では、最後はおかえしするものがなくなって、再びいちごを摘みに行くと、そこでキツネとタヌキの親子が出会い、2組で仲良くいちご摘みを楽しむという微笑ましいシーンで終わっています。キツネとタヌキのように、お返しよりも「一緒に楽しむ気持ち」を大切にできるといいなと思います。

okurimono_noshigami.png (611×706)

MEDI心理カウンセリング大阪

公認心理師・臨床心理士 可児

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